muqueの結成史|4人の出会いから「escape」、メジャーデビューまで

muqueの結成史をテーマに、4人の人物ビジュアルとレコードやライブ会場を組み合わせ、「escape」からメジャーデビューまでを示したビジュアル バンド

「The 1」や「Bite you」でmuqueを知り、「このバンドはどこから始まったんだろう」と気になった人も多いかもしれません。

muque(ムク)は、Asakura、Lenon、takachi、Kenichiの4人によって2022年5月に福岡で結成されたバンドです。

2023年には「456」でメジャーデビューし、2025年には日本テレビ系『バズリズム02』の「今年コレがバズるぞ!2025」で1位を獲得。さらに「The 1」がTVアニメ『ONE PIECE』エッグヘッド編のエンディング主題歌になりました。

その一方で、muqueの始まりをたどると、4人が初対面で集められたバンドではありません。大学の軽音楽部、別々の前身バンド、福岡のライブハウスでの交流が、結成前から何度も交差していました。

今回は、そんなmuqueのメンバーがどう出会い、「escape」を作りながら4人の形を固め、初ライブやメジャーデビュー、その後の転機へ進んだのかを時系列でたどります。

muqueは2022年に4人で始まった福岡のバンド|読み方と名前の由来

muqueの読み方は「ムク」。結成時のメンバーはAsakura(Vo/Gt)、Lenon(Ba)、takachi(Track make/Dr)、Kenichi(Gt)の4人でした。

2025年末にLenonが卒業したため、その後はAsakura、takachi、Kenichiの3人編成となっていますが、バンドの結成年は2022年5月です。

muqueの読み方は「ムク」|musiqueと「無垢」を掛けた名前

バンド名を考えたのはLenonです。

フランス語で「音楽」を意味する「musique」と、日本語の「無垢」を掛け合わせて「muque」と名付けました。

結成から間もない2022年のCRJA FUKUOKAのインタビューでも、Lenonは「周りに影響されず自分たちのやりたいことをやる音楽を作りたい」という思いから、この名前になったと説明しています。

ここでいう「影響されない」は、好きな音楽やルーツを持たないという意味ではありません。メンバーそれぞれに異なる音楽背景がありながら、muqueとして何を作るかは自分たちで選ぶという姿勢が、名前に込められています。

結成時は4人、Lenon卒業後はAsakura・takachi・Kenichiの3人へ

4人で始まったmuqueでは、takachiがトラックメイクとアレンジ、Asakuraがトップラインと作詞を担い、そこへKenichiのギターとLenonのベースが加わる形で楽曲を作ってきました。

2025年12月31日、Lenonは2025年末をもってmuqueを卒業すると発表されました。卒業の経緯については、メンバー側から「それぞれの未来に進む」という説明があり、Lenonは音楽を通じてエンタテインメントを支える別の目標へ進むとしています。

卒業後に更新されたmuqueのプロフィールでは、Asakura、takachi、Kenichiによる3ピースとして紹介されています。Lenon卒業の詳しい位置づけは、4人の結成からの流れを追ったあとで改めて触れます。

大学の軽音楽部と前身バンドが4人をつないだ

muqueができる前、4人はそれぞれ別の場所で音楽を続けていました。ただし、人間関係は完全に別々だったわけではありません。

大学の軽音楽部、前身バンド、福岡のライブハウスという複数の接点が、2022年にmuqueとして重なりました。

メンバーmuque結成前の主な接点
AsakuraLenon・takachiと同じ大学の軽音楽部で活動
LenonAsakura・takachiと大学でつながり、takachi・Kenichiの前身バンドにはサポートベースで参加
takachiAsakura・Lenonと大学でつながり、Kenichiとは別バンドで活動
Kenichitakachiと同じ前身バンドで活動し、他メンバーとも対バンなどで交流

Asakura・Lenon・takachiは同じ大学の同期だった

Asakura、Lenon、takachiの3人は同じ大学の同期で、同じ軽音楽部に所属していました。

そこで一緒にコピーバンドを組んでおり、AsakuraとLenonはそれぞれ別のオリジナルバンドでも活動していました。

本人たちはインタビューで大学名までは明かしておらず、確実にたどれるのは「同じ大学」「同じ軽音楽部」という関係までです。

Kenichiだけは大学が別でしたが、AsakuraやLenonとも前身バンド時代の対バンを通じて交流がありました。

takachiとKenichiは別バンドで一緒に曲を作っていた

takachiとKenichiは、muque以前に同じバンドで活動していました。

さらにLenonは、そのバンドへサポートベースとして参加した時期があります。

このときLenonは、takachiが作曲だけでなくアレンジまでできることを知りました。後に新しいバンドを考えたとき、最初にtakachiへ声をかけた理由のひとつが、この制作力でした。

つまり、結成直前になって急に4人の名前が並んだわけではなく、すでに演奏や制作を通して、お互いの得意なことを知っていた関係でした。

4人それぞれ違った音楽ルーツ

一方で、4人が聴いてきた音楽はかなり違います。

Asakuraは、音楽に興味を持ったきっかけとしてYUIを挙げ、そこからELLEGARDENに出会ってバンドやパンクロックへ。高校時代にはシティポップも聴くようになり、LauvやTroye Sivanなど海外アーティストへも広がっていきました。

takachiは小学生のころにドラムレッスンへ通い始め、ラウドロックからポップスまで幅広く聴くなかで、トラック制作やサウンドデザインへ進みました。NACK5のインタビューでは、特に影響を受けたアーティストとしてMichael Jacksonを挙げています。

Kenichiは父親の影響で、幼いころからDeep PurpleやAC/DCなどのハードロックを聴いて育ちました。ギターを始めたのは高校2年ごろで、メタルやラウドミュージックを演奏し、System of a Downを好きなバンドとして挙げています。

Lenonは、父親が福岡のバンドでギターボーカルとして活動していたことから、早くからバンドに憧れていました。Age FactoryやASIAN KUNG-FU GENERATIONなどを聴き、前に出るよりも後ろから支えるベースという役割に惹かれていったと振り返っています。

2022年7月のCRJA FUKUOKAの取材では、バンドとしてはLANYのようにひとつの型に収まらず、さまざまなジャンルを取り入れる音楽スタイルから影響を受けているとも答えています。

Lenonが仲間を集め、「escape」で4人の形が固まった

2022年の初め、それぞれが所属していたバンドの解散や脱退の時期が重なりました。

そこで新しいバンドを動かしたのがLenonです。以前から知っていた仲間の中から「この人たちとやりたい」と考え、メンバーへ声をかけていきました。

takachiの条件は「ボーカル次第」|Asakuraの歌声が決め手

Lenonが最初に誘ったのはtakachiでした。

サポートベースとしてtakachiの前身バンドに参加した際、彼がアレンジした曲を聴き、ドラムだけでなく作曲やアレンジまでできることに驚いたといいます。

ただ、誘われたtakachiの返事は「ボーカル次第」。そこでLenonが思い浮かべたのが、大学の軽音楽部で一緒にコピーバンドをしていたAsakuraでした。

「自分はAsakuraの声がすごく好きで誘いました」

出典:めざましmedia「福岡から世界へ!新曲『The 1』が“神曲”と話題のmuque『ワンピース』のオファーは『ちょっと現実か疑った』小山内鈴奈アナがインタビュー」

Asakuraも、takachiが参加するならやってみたいと考え、誘いを受けました。Asakuraの歌声が、バンドのメンバー選びを前へ進める決め手のひとつになったわけです。

Kenichiはサポート参加から正式メンバーへ

最初はLenon、takachi、Asakuraの3人で動き始めました。

ところが曲を作っていくうちに、ギターのメロディーラインを含め、3人だけでは難しい部分が出てきます。

そこでtakachiが、前のバンドで一緒だったKenichiへ声をかけました。

Kenichiにとって当初はサポートに近い参加でしたが、実際に曲を作るなかでバンドへの手応えが生まれていきます。CRJA FUKUOKAの結成当時に近いインタビューでも、3人で始めたあとKenichiを誘い、2022年5月に4人で正式にバンドを組んだとLenonが話しています。

「escape」の制作でmuqueのサウンドが生まれた

結成から約1カ月後の2022年6月3日、muqueは最初のシングル「escape」を自主制作でリリースしました。

ただし、結成した時点で、後にmuqueの核となる制作方法が完成していたわけではありません。

takachiは別プロジェクトで作っていたヒップホップ寄りのトラックを持っており、そこへAsakuraがトップラインを乗せました。その組み合わせを聴いたとき、バンドとして進める感触をつかんだと振り返っています。

「いけるかもしれない」と思いました。muqueのサウンドが生まれた瞬間です。

出典:EYESCREAM「Interview:muque 時代をデザインする無垢な音楽」

「escape」はAsakuraが作詞、takachiが作曲し、アレンジはmuque名義。人を先に4人そろえて完成したのではなく、曲を作る過程で「この4人でやれる」という形が固まっていったのが、muqueの結成期でした。

結成後1年間ライブをせず、楽曲からmuqueを広げた

「escape」を発表したあとも、muqueはすぐにライブ中心の活動へ移ったわけではありません。

2022年はコロナ禍の影響が残っていた時期で、バンドは最初からその状況を踏まえた見せ方を考えていました。

コロナ禍で選んだ「曲だけで勝負する」活動スタイル

muqueは結成から約1年間ライブをせず、まず楽曲そのもので知ってもらう方針を選びました。

アーティスト写真にはメンバー本人ではなく女の子のイラストを使い、ミュージックビデオも実写ではなくアニメーションを採用。Kenichiは、最初は曲だけを出して少し正体不明な雰囲気にしようとしていたと振り返っています。

この時期は「escape」だけでなく楽曲のリリースを続け、ライブで先にファンを増やすのとは逆の順番で活動を進めました。

2023年4月28日に初ライブ

ライブ活動を始めたのは2023年春です。

NACK5でAsakuraとtakachiが振り返ったところでは、muqueの初ライブは2023年4月28日。Asakuraにとっては約1年半ぶりのライブでもあり、緊張しながらステージへ立ったといいます。

結成直後からライブを重ねたバンドではなく、約1年かけて音源を積み上げたあとでステージへ出たことになります。

「456」でA.S.A.Bからメジャーデビュー

初ライブから約半年後、muqueは次の段階へ進みました。

2023年11月、デジタルシングル「456」でA.S.A.Bからメジャーデビューしています。

ここは「muqueのデビュー」をひとまとめにしない方が分かりやすいところです。バンドとしての活動開始は2022年5月で、「escape」は同年6月の自主制作。そこから約1年半を経て、2023年11月にメジャーデビューへ進みました。

結成、最初の音源、初ライブ、メジャーデビューがそれぞれ別の時期にあるため、この順序で見るとmuqueの初期活動が整理しやすくなります。

「my crush」の海外拡散から『ONE PIECE』へ|名前が広がった転機

メジャーデビューまで進んだmuqueですが、メンバー自身が名前の広がりを実感した曲として挙げているのは、もっと早い時期に発表していた「my crush」です。

ここからは、一度の出来事で急に知られたというより、楽曲の拡散と外部からの評価が段階的に重なっていきました。

「my crush」が約1年後に海外で広がった

「my crush」は2022年11月にリリースされた楽曲です。

ところが、反応が大きくなったのはリリース直後ではありません。

Kenichiによると、約1年後にInstagramのリールで海外を中心に再生されるようになり、対バン相手からも「リールで見ている」と声をかけられるようになりました。

「my crush」は発売から時間を置いて海外へ広がり、メンバー自身がmuqueの名前が知られるきっかけのひとつとして挙げた曲です。

最初から海外向けのバズを狙って作ったわけではなく、takachiも楽曲制作全体でバズを意識しているわけではないと話しています。

「今年コレがバズるぞ!2025」1位で評価が可視化

2025年1月、日本テレビ系『バズリズム02』の恒例企画「今年コレがバズるぞ!2025」で、muqueは1位に選ばれました。

このランキングは音楽関係者270名へのアンケートをもとにしたもので、単なるSNS投票ではありません。

番組では「my crush」がInstagramから広がったことも紹介されており、2022年に始まった楽曲中心の活動が、数年かけて音楽関係者にも広く認識される段階へ進んだことを示す出来事になりました。

「The 1」が『ONE PIECE』エッグヘッド編ED主題歌に

同じ2025年には、muqueの活動史にもうひとつ大きな出来事が加わります。

「The 1」が、TVアニメ『ONE PIECE』エッグヘッド編のエンディング主題歌に起用されました。

楽曲は2025年4月28日に配信リリース。muqueにとって初のアニメタイアップ作品で、インディーズ期から続けてきたサウンドが『ONE PIECE』という作品を通して届けられる機会になりました。

「my crush」の海外拡散、「今年コレがバズるぞ!2025」1位、『ONE PIECE』のエンディング主題歌は、性質の異なる出来事です。そのため、どれかひとつだけを「唯一のブレイクのきっかけ」と決めるより、認知が広がった複数の段階として見る方が実際の歩みに合っています。

2025年末にLenonが卒業し、muqueは3人編成へ

4人で始まったmuqueの最初の体制は、2025年の終わりで一区切りを迎えました。

結成時に最初にメンバーへ声をかけ、バンド名も考えたLenonがmuqueを離れることになったためです。

結成を主導したLenonが2025年12月31日に卒業

2025年12月31日、muqueはLenonが2025年末をもって卒業することを正式に発表しました。

公式発表では、インディー活動期から4人で歩んだ時間に触れたうえで、話し合いを経て「それぞれの未来に進む」ことを決めたと説明されています。

Lenon自身も、音楽を通じてエンタテインメントを支える別の目標へ進む意思を示しています。

それ以上の具体的な事情は公表されていないため、ネット上の推測を卒業理由として補うことはできません。

takachiとAsakuraを中心とした楽曲制作は3人編成にも引き継がれた

Lenon卒業後に更新されたmuqueの公式プロフィールでは、Asakura、takachi、Kenichiによる3ピースとされ、楽曲はtakachiのトラックメイク/アレンジと、Asakuraのトップライン/作詞を中心に制作すると説明されています。

この制作の軸は、4人時代の「escape」を作る過程で形になったものでもあります。

2022年にLenonが仲間へ声をかけて生まれた4人のmuqueは、2025年末で最初の体制を終え、その後はAsakura、takachi、Kenichiの3人で同じバンド名を引き継ぎました。

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